特発性過眠症

【備忘録】尿路感染症(UTI)は案外守備範囲広め

2020/11/07

尿路感染症ってよく聞くけど、よく分からないですよね。

尿路感染症とは、主に尿路末端から感染し、腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかしらに炎症が起きる症状のことです。

腎臓の炎症も、膀胱の炎症も含めてるって、あんがい守備範囲広いですね!

概要

尿路感染症(UTI:urinary tract infection)は、本来無菌である尿路系(腎臓・尿管・膀胱・尿道)が感染※1により炎症をおこした症状の総称で、腎盂腎炎(腎臓の感染症)も、膀胱炎も、尿道炎も、前立腺炎も、ぜんぶ尿路の感染症※2です。

ちなみに、尿路とは、尿がつくられて排出されるまでの経路(腎臓→尿管→膀胱→尿道)の事です。

しかし、一般的には尿路感染症は、腎盂腎炎と膀胱炎を指します。

1:感染とは病原体が生体内に侵入・定着・増殖し、生体に 何らかの病的変化を与えること。
2:感染症と は感染によって炎症を生じた状態であり、自覚的あるいは他覚 的症状を示していわゆる発病している状態。

分類

感染場所で分類するなら、上部尿路感染症・下部尿路感染症、基礎疾患の有無で分類するなら、単純性尿路感染症・複雑性尿路感染症で分類されます。

感染場所で分類

尿路感染症は、尿路の感染の場所に応じて、上部尿路感染症下部尿路感染症に分類されます。

上部尿路感染症には、腎盂腎炎、下部尿路感染症には、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎があります。

基礎疾患の有無で分類

尿路基礎疾患の有無により、単純性と複雑性に分類されます。

単純性尿路感染症尿路に基礎疾患を認めない(尿路の疾患は、尿路感染症オンリー)
複雑性尿路感染症尿路に基礎疾患がある(尿路感染症以外にも尿路の疾患あり)。抗菌薬が効かず、治療が長引くことも。

感染経路

  • 尿路末端
  • 血液

尿路末端

  • メインの感染経路
  • 尿路末端から原因菌が尿路を逆行性に感染
  • 男性であれば陰茎の先端部から、女性では外陰部にある尿道の開口部から感染

これはイメージつきますね。

血液

  • 稀な感染経路
  • 血液から尿路系へ感染
  • 敗血症、心臓弁の感染症などから感染

血液から感染って、どういうことなんでしょうね。

どうやって侵入しているんだ…。

敗血症はよく聞くから調べようかな。

原因菌

尿路感染症の中で、一番多いのが、細菌での感染、その次に真菌の感染が多いです。

他にも、ウイルスや、寄生虫などがありますが、真菌・ウイルス・寄生虫で感染する場合は、感染しやすい状態だったり、糖尿病、閉塞、器質的尿路異常があったり、尿路に器具を装着したことがある人に生じます。

細菌約70%:大腸菌 Escherichia coli(E. coli)の感染。5~15%はその他の菌。
真菌カンジダ属に分類される真菌の感染が多い。免疫力が低下した人や、膀胱にカテーテルが留置されている人で発生しやすい。
ウイルス単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)が、尿道に感染することも。その他のウイルスの尿路感染は、免疫系が障害されないい限り起こらない。
寄生虫トリコモナス。吸虫などで感染をする事があります。

症状

急性尿路感染症

急性単純性腎盂腎炎頻尿、尿意切迫感、排尿終末時痛、
急性膀胱炎悪寒、発熱、腰背部叩打痛、嘔気、嘔吐

検査

臨床症状で尿路感染症を疑われた場合は、検尿を行います。

必要に応じて、腹部超音波検査、仰臥位腹部単純撮影、X線なども行う。

尿路感染症のまとめ 

尿路感染症は、尿路の感染でおきる症状であり、一般的に腎盂腎炎・膀胱炎をさすことが多いです。

 腎盂腎炎:腎臓に炎症が起きた状態

症状頻尿,排尿痛,尿混濁,残尿感,膀胱部不快感な
発熱なし
尿検査必須(膿尿・細菌尿)
原因菌約70% 大腸菌(E. coli )
約 15~20% グラム陽性球菌
       黄色ブドウ球菌属(Staphylococcus 属)
                       連鎖球菌属(Streptococcus 属)
                       腸球菌属(Enterococcus)属
抗菌薬投与期間3日間

 膀胱炎:膀胱に炎症が起きた状態

症状悪寒、腰背部叩打痛、嘔気、嘔吐
発熱あり
尿検査必須(膿尿・細菌尿)
原因菌約70% 大腸菌(E. coli )
抗菌薬投与期間14日間

こういうのがあるんだなーって思ってもらえたら。

参考資料

-特発性過眠症